映画・沈まぬ太陽の感想
映画「沈まぬ太陽」を観てきた。
原作は読んでいないけど、「日本のドラマ」としてはよくできていると思う。
あれだけ日本航空から物言いがついたにもかかわらず、映画化できたことは素晴らしい。テレビドラマでは絶対にできない内容なので(スポンサー絡み)、映画で作ったということだと思うけど、それでも日本航空からのクレームはかなり多かったらしい。制作陣の気概は素晴らしかったと思う。
NL123便が御巣鷹の尾根に墜落した現場など、美術やセットも素晴らしかった。その年代の車が走っているし、小物1つにもその年代を感じさせるものが使われていた。日本映画ならではの細かい配慮だろう。
そして、アフリカの大地はとてもきれいだ。大画面で観る価値はある。
そして、ダメなところ。ダメというかなにかの事情があって、達成できなかったんだろうと思うけど、CGがもうめちゃくちゃ。象が銃で撃たれて倒れるシーンがあるんだけど、これは本当に殺すわけにいかないし、もちろん演技で倒れてくれるわけじゃない。だからCGに頼るわけなんだけど、これが本当に情けないんだよなぁ。あれを観てリアリティを感じろと言われても無理があると思う。
他にも航空機が飛んでいくシーンなども興ざめ。航空会社の物語なので航空機が飛ぶところは必要だ。空港から離着陸するシーンだって重要。その航空機も観てしまうと興ざめしてしまう。飛び方にもリアリティが感じられない。重量感がないんだろうね。日本映画のCGってのはこんなものなのか?予算や期間の問題もあるんだろうけど、ちょっとこれはお金を取って見せるというレベルではない。
あとカメラもちょっとなぁ。テレビみたいなカット割りが多くて、大きなスクリーンで見ていると疲れてくる。もちろん、ストーリーが面白いから3時間(途中で10分の休憩あり)という長時間でも楽しめるんだけど、もう少し映画らしいみせ方ができたんじゃないだろうか?引きの映像が少ないので(セットの問題だろうけど)、テレビ的な演出が多いように感じた。
DVDで観るのはつらいかもしれない。まずあの長さをDVDで観るというのはつらいだろう。テレビドラマとして作られていれば(スポンサーの絡みがあるから無理だろうけど)、2時間ドラマという形でも表現できるだろう。映画である必要性は日本航空からの圧力に屈しなくてもいい、というところだけになっちゃうように思う。
ストーリーとしては、政治的な駆け引きが中心なので、白い巨塔などのドラマが楽しめた人であれば楽しめると思う。悪いものは徹底的に悪くて、感情の入れ方によっては悪者が本当に憎たらしく見えてくる。JAL123便の事故をモチーフにした航空会社の物語として、あの事故を知っている人であれば、感情移入がしやすいよ。
最後は善が報われない(少しは報われるんだけど)結論になるので、観ているほうもあまりすっきりしないかもしれない。でも、現在の事実として国民航空のモデルである日本航空が「あの状態」になっているので、現実とリンクすると「だから、いまこうなっているのか」と腑に落ちる感があるから、ここですっきりするんじゃないかと思う。
なんだかんだと書いたけど、近年の大作日本映画の中ではまともなほうではないかと思う。時間のある人は映画館で観ることをお勧めします。
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アフリカの大地のシーンのバックの音、よかったでしょ?
バックの音も良かったですねぇ。やっぱり映画館ならではの迫力でした。